2026インターン修了式

SIIFIC NEWS

SIIFICでは、2026年夏に4名の高校生・大学生を迎え、約2か月間のサマーインターンを実施しました。昨年から参加していたもう一人の大学生インターンも加わって、スタートアップや投資先候補企業のリサーチ、カンファレンスへの参加、投資に関する議論など、実際のインパクト投資の現場に触れながら、それぞれの視点で学びを深めました。

そして9月下旬の最終日、インターンを通じて学んだことや考えたことを、それぞれスライドにまとめて発表しました。どのような学びを得たのか、そして、それをどのように表現し、伝えるのか。SIIFICのスタッフも発表を楽しみにしていました。実際の発表は、スタッフの想像を超えるものでした。発表後には一つひとつのテーマについて活発な議論が交わされ、インターン生自身が調査を通じて考え抜いた問いが、さらに新たな問いを生む時間となりました。

1.「面白そうな会社」と「投資できる会社」は違う

大量の企業リサーチを毎週こなす中で、「面白そう」「良さそう」と感じる会社が、必ずしも「投資できる会社」ではないことに気づいたインターン生がいました。単に情報を集めるだけでは投資判断には至らない。企業を深く知るためには、その企業の戦略の根底にあるものを捉える「問い」を立てることが重要である――。リサーチを重ねる中で得た気づきを、自らの言葉で発表しました。

2.「自分から話しかける」ことで生まれる機会

複数のカンファレンスに参加したインターン生は、名刺交換の数に加え、「自分から話しかけた人数」「先方から話しかけられた人数」「会話につながった割合」などを分析。「自分から」話しかけることが、新たな出会いや会話につながる価値について発表しました。また、講演やパネルディスカッションでは、登壇者が堂々と話しているほうが、参加者としても質問しやすかったという気づきも共有されました。

3.日本でイノベーションが生まれる土壌とは

日本のスタートアップを取り巻く環境について、「条件なしの資金供給の不足」や「古い常識にとらわれた業界カルチャー」を課題として指摘したインターン生もいました。日本と米国の大学基金や研究資金の規模、ノーベル賞受賞者数、大学発スタートアップなどに関するデータを比較し、イノベーションが生まれる土壌づくりにおける日本と米国の違いを問題提起しました。参加者には、海外留学を経験した学生や、日本のインターナショナルスクールなど異なる教育環境で学んできた学生、海外にルーツを持つ学生もいたことから、イノベーションが生まれる環境のあり方や、日本の学生が得られる経験の幅など、さまざまな視点から議論が広がりました。

4.「技術」から「顧客」「収益」へ視野を広げる

スタートアップが持つ「技術」に面白さを感じていたインターン生は、当初の「これはどうやって動くのか?」という問いから、「誰がそれを購入するのか」「どのような収益が生まれるのか」へと視野を広げるようになりました。発表後の質疑応答で答えられなかった質問が、その後のリサーチの質を高めるきっかけになったという振り返りもありました。

5.「自分が伝えたいこと」から「相手に伝わること」へ

「相手に分かりやすく伝えること」を学びとして挙げたインターン生も複数いました。最初は自分の考えを言葉にすることが中心だったものが、次第に「相手にどう伝わるか」を考えて文章やスライドを構成するようになりました。文字が多くなったスライドを、数字をグラフ化するなど、より伝わりやすい表現へと変えていく姿も見られました。発表資料のBefore/Afterを比較すると、わずか2か月とは思えない変化が表れていました。

インパクト投資を通じて、「問い」を持つ

インパクト投資は、社会的に良い会社であれば、どのような企業にも投資できるものではありません。通常のVC投資と同様に、経済的リターンも求められます。投資判断にあたっては、企業そのものだけでなく、その企業が属する産業、取り巻く社会環境、関連する規制など、さまざまな要素を調査する必要があります。すべての条件が整っていても、「タイミングが違う」ということもあります。

インターン生たちは、企業リサーチを重ねる中で、こうした投資判断の難しさにも自ら気づき、それぞれの視点から考察を深めていきました。

今回の発表でスタッフが特に印象に残ったのは、「何を教わったか」ではなく、「自分自身で何を問い、そこから何を考えたか」が、一人ひとりの発表に表れていたことです。

これこそが、今回のインターンを通じて私たちが最も伝えたかったことでした。

SIIFICでは、インパクト投資を単なる投資手法としてではなく、社会の課題や未来のあり方を考える一つの入口として捉えています。今回のインターンでも、投資に関する知識だけでなく、自ら問いを立て、多様な視点から社会を考える経験をしてもらうことを大切にしました。

今回参加したインターン生の年齢は、高校生から大学最終学年まで幅広く、それぞれの学校や文化的背景も異なります。しかし、スタート時から年齢や立場に関係なく、互いに対等に議論できる土壌がありました。異なる年齢、学校、文化的背景は、議論の場においてむしろ新たな視点をもたらします。 

「自分だからこそ、何を感じ、何を考え、どう伝えるのか。」

その繰り返しの中で、インターン生たちは日々、新たな学びと経験を積み重ねていきました。

そして、私たちスタッフも多くのことを学びました。現役世代には見えにくい、若者ならではの課題の捉え方やその背景にある意識、さらにはこれから生まれる可能性のある新たな市場について、私たち自身も考える機会となりました。

それぞれの場所から、社会の変化に関わっていくために

発表を聞いたスタッフの共通した感想は、どのインターン生も劇的に成長したということでした。その成長に驚き、喜ぶと同時に、彼らが一枚一枚、一生懸命につくり上げてきたスライドを、私たちはとても愛おしく感じています。この期間で得た問いや視点が、これからそれぞれの進路の中でどのように生かされていくのか。スタッフ一同、楽しみにしています。そして、これからそれぞれの場所で社会の変化に関わっていく彼らと、いつかまた別の形で出会えることを楽しみにしています。

この後の展開

期間中に、インターンは既存の投資先企業を訪問し、それぞれの視点から取材・リサーチを行い、レポートをまとめました。今後、SIIFICのブログにて、インターン生が執筆したレポートを順次公開予定です。彼らならではの視点から見た投資先企業の姿を、ぜひお楽しみください。

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